母には幽体離脱
母に電話したら、これから梅を買いに行くという。
姉が去年、梅が余って困る友人がいる、と聞き、
じゃ、また来年もしなら譲ってもらえるよう頼んでいたが、今年まだ連絡がないとか。
ここで私が相手にしなければよかったのだ。
つい、「もう一回確認してからにしたら?」と言ってしまった。
「だって何回も言うのやだから、自分で買いに行けば良いことだから。あまり迷惑かけたくないし」と母。
ここまでならまだ間に合ったはず。
だが、
「簡単に梅干って言っても私がひとりでそう沢山梅を持って帰ってこれないし、あの子が聞いてくれればいいのに、連絡ないし。梅、重いのよ。」と言う母に、
「だから、また聞けば良いじゃない、もらえるかもしれないんだから。」
と言ったから、まずかった。
「だから、もういいの。私が自分の持てる分買ってくるから」と意固地になる。
あー面倒くさいなぁ。
母は長らく頑固な父と暮らして来て、おまけに姑、小姑がいたもんだから、自己主張しない女なのだ。最近、良く昔腹が立ったことを持ちだし、いかに自分が大変だったかが始まる。
「お母さんはそうやっていつもその時は感情殺して、でも後からその沈殿していたものが何かの拍子に出るじゃない。
あの時、梅くれる人に聞いてくれたら買わなくて良かったのに、とか言わないでよね」
で、大惨事。
ずーっと我慢して暮らしていたのよね、仕方ないか、まぁ聞いてやるか、と思えないのだ、私は。
そして私の沈殿しているもの、、、
私は、母が自分が黙っていることで波風立てないよう暮らしていたことが嫌だったのだ。
時代背景も理解しているから、母を責められないけれど、後からあの時ああだった、とか聞きたくないのだ。
それが沈殿し表に出さずにいるのに些細なことで爆発する。
子供は母親が尊重され自由に生きていてほしい、なんて60になるのに母の前ではいつまでも子供だ。
「梅干だってあなたたちが欲しいっていうから。もう来年作れないかもしれないから今年はたくさん漬けておきたいの。私が死んでも少しは大丈夫なように」
はい、わかりました。
もう母の前では、幽体離脱しただ優しくしていよう。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。