趣味があっても
昨日は、結婚退職後、そのまま専業主婦として生きて来た友人と一緒でした。
子供が小さいうちはママ友との交流が忙しく、何かと大変そうで、少し大きくなってからはお習い事に勤しみ、裕福で綺麗なままです。
やはり生活にゆとりがあると美しく年齢を重ねるのね。
仕事の道を選ばなかった彼女から、思いがけない言葉を聞いたのは昨日。
「定年になってからだって出来ることをやってきて何になったっていうのよ。」
つまり、
定年後にやりたかったことを始める人たちをみていると、今まで自分がしてきたことは、別にその時にしなくたって良かったことだった気がする。
自分の生活は定年後からだって手に入るものだったけど、自分には働くことで得られたものを何も持っていない、ということらしい。
彼女のお習い事の数は広く多岐に渡る。
まさに一人カルチャースクール状態。
中には指導者という立場になったことも。
展示会や発表会など、よく花を持って駆けつけた。
華やかに次々にこなしてゆく姿は真面目で頑張り屋のままだった。
家事を済ませお習い事に出かけランチをし、空いた時間を趣味に費やすお金の心配がない生活。
でも彼女は、そんな生活は定年後に出来るもの。と言う。
そうね、確かに貴方が趣味三昧していた生活は定年後の理想形だわ。
「仕事じゃなくても人間関係ってあるの。お習い事しか頭にない方々は些細なこともそれが全てになってしまうから軋轢もすごいのよ。」と話すが、それと仕事は同じじゃないから。
確かに人間関係はどこへ行っても難しいけれど、お金を払ってやっているか、お金を得るためにやっているか全然違うもの。
様々なことをやってきた彼女は、ずっと満たされないものを抱えて何かを探して来ていたのかな。
私たちは定年後、彼女に聞けば大抵のこれからやりたいことのアドバイス聞けて有難いよね、なんて軽口を叩いていたけれど、これだ!というものには巡り会わなかったのかもしれない。
今回初めて彼女の口から出た言葉。
「パパも子供たちにも趣味の話はしないの。どうせママの暇つぶしだろう、ってバカにされるから。」
だからか。
展示会や発表会にご家族を見たことがなかった。
大きな作品も一人で搬入しているようだったし、ステージを見にきてはいないみたいだった。
バカにされるから、と、晴れの舞台に何も言わず家を出て、何ごともなかったかのようにして帰宅する、そんな生活だったのか。
「定年後に好きなこと堂々と楽しんでもバカにされないから良いわよね。」
何だか様々なことが溢れてしまったみたいだね。
これくらいの年齢になると色々と考えちゃうもの。
その中で折り合いつけたり落とし前つけたりしながらやっていくしかないよね。
発表会でもなんでも、ママの出番だ!と客席からドキドキしてくれて、ステージのあと、もう見ちゃいられなかったよ、なんて言いながら迎えに来てもらえたらよかったんだけど、そんな感じじゃなかったのか。
裕福な中の孤独を見てしまった気がして、「私たちじゃご家族のかわりにはなれないけど、本当にいつも凄いなぁって感心してたよ、また楽しみにしてるから!」という言葉しか出なかった。
どこも混んでいて、、、
お腹すいて入りました。
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