天国と地獄
ムスメと逢う週末は、もう月曜日から待ち遠しくて仕方ありませんでした。
仕事で何があってもそう大層なことと思えず、もちろん良い意味で。
上手く受け流せる状態でした。
前の週から、持って行くものを用意して退社時刻と同時にダッシュ。
急いで乗り込めば20時前に着きます。
新幹線の中では気もそぞろ、あー早くつかないかなあ、とメイクを直したりしながら
あと何駅?と数えながら時には車内販売のビールなんて飲んじゃったりして。
駅でムスメの顏を見つけた時の喜び。
本当に幸せに思えました。
ムスメの決めてきたお店や、時にはふらっと見つけたお店。
夏の野外カフェは、外国人も多く星空のもとで乾杯しハイテンションになる私に
ムスメは呆れ顔でした。
お寿司屋さんに入る時は、どこか緊張したムスメが可愛くて。
ゆったりと逢えた喜びを噛みしめていました。
本当に天国にいるようでした。
充実した三日間を過ごし、やがて日曜の夜。
ムスメが送ってくれるとついつい別れがたく、結局翌日のことも考えずに最終便に。
じゃあね、と姿が見えなくなるまで手を振って、ひとり新幹線のシートに沈めば、
心まで沈んでいくようでした。
窓硝子に写る顏は驚くほど老けて見えます。
暗い街の灯りを見ながら涙が溢れてきました。
降りたてばもう深夜。
駅の人影もまばらで、最終便にしなければ良かったという後悔が湧いてきます。
特に冬場はこたえました。
芯まで冷えていくようでした。
泣いて化粧直しもせず、何も考えず急いてベッドに入ることだけ考えています。
あの金曜の夜の私はもうどこにもいないのでした。
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