昼間の彼女
母と日帰り温泉へ出かけました。
昼間明るいウチからの露天風呂はまた格別。
極楽、極楽です。
夕方、少し打ち合わせが入りましたので、早めに戻りました。
果たしてこんな風に過ごしていて、仕事がハードになったら大丈夫か、と心配になります。
キチンと定時に出勤していた頃と真逆でして、なかなか慣れません。
帰り道、若い頃旅行に出掛けて、彼氏の従兄弟がいるから、と会った時の事をふと思い出しました。
従兄弟は自営業で羽振りの良いオジサマでした。
その彼女はうんと若く私と同い年です。
オジサマは浮き名を流し、結婚願望ゼロ。
彼女がオジサマに夢中ということはすぐにわかりました。
私と彼は有給を使って遊びに来ていましたが、オジサマは仕事の都合をつけてつきあってくれたのです。
そして彼女は、オジサマから連絡を受けやってきたのでした。オジサマは私もいるから同じ年頃の女の子もいた方が良かろう、と誘ってくれたのだと思います。
平日の昼間、急な呼び出しに来てくれた彼女。
とても垢抜けた洒落た子でした。
うんと年上の彼氏であるオジサマと普通に渡り合って話が出来る彼女はひどく大人に見えます。
お父様の経営している会社に勤めているけれど、予定があれば抜けてこられる、とのことで、二人で次に行くバカンスの話をしていました。
もっぱら何処へ行く?という内容で、当時の私は、まず行き先よりいつ休みが取れるか?と、いくら掛かるか?から行き先が見えて来るのに対し、有給もお金も気にせず話す二人が新鮮でした。
何かの拍子に彼女と二人になった時、彼女は私に、オジサマはなかなか結婚の話をしてくれない、と打ち明けてきました。
私は何となく、オジサマは結婚しないタイプのように感じていたので、どう答えて良いかわからず困ったことを覚えています。
ただ私は、彼女の持ち物からして相当良いところのお嬢さんだと思い、自由な時間とお金があることが羨ましかったので、こんなオジサマで悩まなくてもなぁ、と美しい彼女に見とれていました。
オジサマにさんざんご馳走になり帰りに、ものすごく高いぬいぐるみをお土産にもらって別れました。
なぜか、平日の昼間に遊んでいると彼女のことを思い出します。
結局、オジサマは同い年の地味な女性と結婚しすぐに別れたそうです。
今、彼女はどうしているでしょうか?
やはり時間とお金に不自由していないような気がします。
私のように定年までそうそう昼間自由な時間が手に入らなかった人生ではないように感じています。
第一、定年まで働いてなどいなかったんじゃないかな?
あの頃の私は、ただただ平日の昼間、自由な彼女が眩しかったのでした。
温泉ランチ
私は生姜焼き、母は塩サバ定食でした。
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