60までの自分磨き→60からも自分磨き(定年後)

50代後半からの日々を綴っています。60になり、また次のステージへ。

愛あふれる人生を

城戸崎愛先生著
「現役料理家の命のレシピ」
感動しました。
なんて素敵な方なんでしょうか。

数年前お亡くなりになった時、
ラブおばさん追悼番組で拝見し、
柔らかでチャーミングなお人柄にすっかりファンになりました。


もちろんレシピも掲載されていますが、
内容は先生の半世紀もあり、
つくづく考え方ひとつでこんなにも素晴らしく生きていかれるのだなぁ、
と教えてもらいました。


先生はお若い頃には結核にもなられています。
新婚早々に子宮がんにも。
お子さんは望めませんでした。
深い悲しみの中、ご主人からかけられた
「親になるだけが人生じゃない、子のいない人生もあるよ。」との言葉から、
そうだ、とにかく生きよう!と決意。
生き残った自分しかできないことをしようと考え料理家の道に。


60歳で糖尿病になられ、
「糖尿病にご縁が出来て」なんて表現をされて。
ニッコリ微笑む先生のお顔が浮かびます。
「おかげでお野菜のおいしさがわかるようになりました。」
と食事制限も工夫しながら、料理家として夢を諦めず最期まで現役でいらっしゃいました。


87歳での骨折は、そのお歳では寝たきりになりそうですが、
入院しても、周りの人が心配しないよう陰気にならないよう心がけ、
入院生活も楽しんでしまう。
何しろ、子宮がんの入院の時に、
冷たいパンとバター、牛乳の味気ない病院食を、
病棟のコンロでフレンチソースを作ってしまって評判となり、
その女医さんと看護師さんから教えてほしいと頼まれたのが料理教室の始まりとか。
パリの「ル・コルドン・ブルー」でも学ばれています。


愛犬家でもいらして、
ご自分のお年を考えてもうこれで飼うのは最後と決め、
大好なワンちゃんとのお別れも、
ペットロスに陥るより、
楽しかった思い出がたくさんあるもの、今までありがとうね、
というお気持ちでいらっしゃる。


他にも、年齢を重ねたこそのオシャレのお話、
好きなスターのコンサートではペンライトを振ってブロマイドを買うミーハー的なお話、、、
読みながら本当に微笑ましく可愛らしいのです。


嘆き苦しむことが続くと周りもうんざりするから、
我慢はしないけど引き摺らず、
理不尽なことは潔く引き受けて微笑む、
そういったお考えがさりげなく柔らかくて、
ますます大好きになりました。


追悼番組も先生に対して愛溢れる作りになっていましたが納得しました。
本当に皆さんから慕われた人生だったのですね。


図書館で借りましたが、この本は購入しようと思います。